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タクシー運転手の脳トレーニング 記事その2
2011-10-29
脳神経の研究の分野で、ずいぶん話題になり、その論文を書いた研究者が一躍有名になった論文に、タクシーの運転手の脳を調べた話があります。
2000年に出されたマグワイアという人の研究なのですが、これはその時に開発されてまもない医療機器のsMRIを使って行われた研究です。
このsMRI(構造的核磁気共鳴装置)というのは、人間の体の内部構造を調べて細かく描出することができます。
脳の中の構造も描き出すことができるのですね。

脳の中には、記憶に携わる場所で「海馬」という組織が知られています。
(遊戯王のライバルじゃなくて脳の一部の名前です。)
生まれつきこの組織が欠損している、あるいは構造の壊れた動物では記憶能力が著しく衰えていることもわかっています。
この研究がユニークなのは、その海馬の大きさについて、職業による違いがあるのか、あるとすればそれは生まれつきなのか、職業についてから変わったのかを調べてみようとしたと言うところです。

対象にしたのはロンドンタクシーの運転手さんたち。
海馬の大きさについて、一般の人と、ロンドンのタクシー運転手さんの大きさとを調べてみたところ、同じ年齢の別の職業の人たちに比べればタクシー運転手さんの海馬のボリュームは3%も大きくなっていたというのです。
ロンドンタクシーはご存知の通りあのクラシックな形を維持していることで有名ですが、維持しているのはタクシーの形だけじゃなくて、運転手さんの教育に関しても昔の伝統を守っています。
ロンドンタクシーのドライバーになるためには、ロンドン市内の道を隅々まで暗記していることが求められます。
客に行き先を告げられたら、どの道をどう行けばいいのか、一方通行や道幅に至るまで様々な状況を瞬時に思い浮かべるようになるまで記憶していなくてはならないのです。
そのために道路を暗記するための学校まであって、長い人だと覚え切れるのに二年以上かかるとか。
そしてこれ、決して若い人ばかりが運転手を目指すわけではなくて、中年から目指す人たちもいます。
そうです、彼らの海馬は、道を覚え始めてから大きく育つというのです。
つまり、歳をとってからも鍛えれば脳が反応するのです。
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